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ストックオプション会計

ストックオプション会計
■主な解説内容
1.ストック・オプションの概要
1-1施策の位置付け
1-2業績連動・株式報酬の現状
1-3インセンティブ報酬の種類
1-4ストック・オプション
1-5ストック・オプションの付与目的
1-6ストック・オプションの種類

スタートアップ のための ストック・オプション制度 解説

ストック・オプションとは、株式をあらかじめ決められた価格で取得できる権利である新株予約権を報酬として付与するものです。税制適格ストック・オプションとは、ストック・オプションのうち、税制に従って一定の要件を満たすことで、付与対象者に対する課税が、ストック・オプションの付与時や権利行使時ではなく、権利行使により取得した株式の譲渡時まで繰り延べられるものをいいます。また、税制適格ストック・オプションの行使により株式を取得して売却した場合の利益は株式譲渡所得として取り扱われ税率は20%で済みます。

法務・税務・会計上の手続き

法務上の手続き

税務上の取扱い

税制適格ストック・オプションを権利行使して取得した株式を市場で売却した場合、譲渡した価額と権利行使価額の差額が譲渡益として、税率20%の申告分離課税の対象となります。これは、受け手にとって非常に大きなメリットとなります。なぜなら、ストック・オプションによって多額のキャピタルゲインを得ても、税率は20%で済むからです。

②権利行使が、付与決議日から2 年を経過した日から10 年を経過する日までの間に行われること

しかしながら、税制適格ストック・オプションの場合、これらの所得は生じない(株式の譲渡時に生じるのは譲渡所得)ため、会社側に損金は生じないこととなります。

会計処理

ストック・オプションの会計処理については、企業会計基準委員会が「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下、「SO 基準」という)及び「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」(以下、「SO 指針」という)に従って会計処理を行います。

①勤務条件が付されている場合

②勤務条件は明示されていないが、権利行使期間の開始日が明示され

ており、かつ、それ以前にストック・オプションを付与された者が自己都合で退職した場合

③条件の達成に要する期間が固定的ではない権利確定条件が付されている場合

1 円ストック・オプション

概要

1 円ストック・オプションとは、その名の通り、権利行使価額を1 円に設定したストック・オプションです。権利行使価額が1 円であることから、株価がついている限りは付与された側には常に利益が出ます。その意味では、オプション(選択権)というよりは、株式の付与に近い形式となります。

法務・税務・会計上の手続き

法務上の手続き

税務上の扱い

1 円ストック・オプションは権利行使価額が1 円であるため、税制適格ストック・オプションの「権利行使価額が、株式の付与契約締結時の時価以上であること」という要件を満たさず、税制適格ストック・オプションには該当しないこととなります。税制非適格となる1 円ストック・オプションの場合、権利行使時に原則として給与所得とされ、権利行使時の株価と権利行使価額の差額が総合課税(最高税率55%) の対象となります。退職を起因として付与される場合等一定の条件を満たす場合は退職所得とされ、この場合税負担は少なくなります。行使して株式を取得した時点で課税される点、また利益は譲渡所得ではなく、給与所得か退職として取り扱われる点が税制適格ストック・オプションとは異なってきます。

会社が役員等に役務提供の対価としてストック・オプションを付与した場合、役員等に給与所得・退職所得等が生じる事由が生じた日において、会社側に役務提供の対価に相当する額の損金算入が認められます。1 円ストック・オプションは、権利行使時に給与所得又は退職所得が生じるため、権利行使時に役務提供の対価に相当する、1 円ストック・オプション発行時の公正価値の金額について、会社側に損金が生じます。

会計処理

有償ストック・オプション

さらに、有償ストック・オプションは、役務提供の対価ではないと整理できるため、株主総会の役員報酬決議(会社法第361 条第1項)が不要と考えられ、また、公正な発行価額の払い込みと引き換えに付与されるため、株主総会の有利発行決議(会社法第238 条第3 項)も不要と考えられ、機動的な発行が可能となります。

法務・税務・会計上の扱い

法務上の手続き

税務上の扱い

取得時については、公正な対価を支払って新株予約権を購入しているだけであり、課税関係は生じません。また、権利行使時についても課税関係は生じません。権利行使によって取得した(上場)株式を売却する際は、譲渡所得等課税の対象となり、その際の株式の取得価額は、権利行使価額に有償ストック・オプション付与時の払込金額を加えた額となり、売却益は税率20%の申告分離課税の対象となります。従って、税制適格ストック・オプションと同様、付与される側にとっては税務上のメリットが大きくなります。

会計処理

会社側の会計上の扱いは、実務上、従来は新株予約権に関する会計基準である企業会計基準適用指針第17 号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」を適用し、費用計上させていないことが一般的でした。しかし、2018 年 1 月 ストックオプション会計 12 日、企業会計基準委員会が実務対応報告を公表し、権利確定条件付き有償新株予約権(有償ストック・オプション)は、原則としてストック・オプション会計基準上のストック・オプションに該当するとされ、「権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額-払込金額」を費用計上することと規定されました。会計処理は、権利確定日前と権利確定日以後について分けて考えられます。

費用計上額=新株予約権の公正な評価額―新株予約権の払込金額

公正な評価額=公正な評価単価×権利確定条件付き有償新株予約権数

権利確定日後の会計処理 権利確定条件付き有償新株予約権が権利行使され、これに対して新株を発行した場合、新株予約権として計上した額のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替えます。 権利不行使による失効が生じた場合、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上します。

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